Saidera Mastering Blog

CDマスタリング、DSDレコーディング、ハイレゾ配信&ストリーミング。 サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。

[]リミッターの使いこなし(その3)「シーリングレベルを追い込む」

チーフ・エンジニアの森崎です。

Pro Toolsで作業していてプレイバックは問題なかったのに、バウンスしたらレベルオーバーしてしまった。iTunesなどでMP3ファイルに変換したら音が歪んでしまったという話を聞いたことはありませんか?本日はリミッターの使いこなし(その3)「シーリングレベルの設定」について。

このような現象は「True-Peak」と「Sample-Peak」の誤差により、サンプリングレート、ビットレート変換する時に生じる現象です。一番簡単な対策はレベルを下げることですが、シーリング(天井)レベルを変えられるリミッターを使えばあらかじめ防ぐことができます。

まずはじめにあなたのお気に入りのリミッターの癖を把握しましょう。どのような機材を使う場合でも機材の癖や特徴を理解することが良いサウンドを作るための使いこなしの基本です。時間はかかりますが一番確実な方法です。

まずはシーリングレベルを0dBに設定してください→サウンドは歪みました。次にシーリングレベルを-0.1dBにしてみます→歪んでいません。さらに細かく設定可能な機材だったら-0.05dBで聴いてみます→歪んでいます。このように細かくレベル調整をしてギリギリ歪まないシーリングレベルを見つけて下さい。その値からほんの少し下げておけばこれから作るマスターは歪むことはありません。(この値はジャンルなどいろいろな要素で変わってきますが)ギリギリまで入れられる設定、安全レベルの設定、などいくつか決めておくとピークオーバーのことを心配せずに音に集中して作業することが出来ると思います。

僕自身はオリジナルのセッティングでシーリングレベルはゼロでギリギリまでレベルを入れることが出来ます。ソフトリミッティング、ヴォーカルアップ、音を輝かせるセッティングなどリミッターのセッティングだけでもいくつもの方法がありますので、こちらはぜひ立ち会いマスタリングで体験しにいらしてください!


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