Saidera Mastering Blog

CDマスタリング、DSDレコーディング、ハイレゾ配信&ストリーミング。 サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。

[]音響芸術専門学校



こんにちは。チーフ・エンジニアの森崎です。


ここ5年ほどこの時期になると母校の音響芸術専門学校でマスタリングの授業をしています。


2日間(2単位)の授業ですが最初の頃は何を話せば良いのか?1週間ぐらいカリキュラムを組んでいました。


教える内容はマスタリングというより現場サイドのエンジニアの心得というもの。


音楽を楽しむことと作ることの違い、音楽鑑賞のスピーカーとモニタースピーカー使い方などです。





まず最初に『普段どんな環境で音楽を聴いていますか?』と質問しています。


ここ数年は『ipodで聴いています!』という若者が大多数をしめていましたが、


今年の生徒さんは半数以上が『ミニコンポ、オーディオで音楽を聴いています』


と返事が返ってきたのでびっくりしました。


授業の途中で何か質問ありますか?と聞いたら、


『スピーカーケーブルを変えようと思っているのですが、おすすめはありますか?』


『ハンダの種類で音が違うって聴きましたが先生はどのブランドのものを使っていますか?』


『キャノンケーブルの作り方を教えてください!』


このような質問が返ってくるとは思ってもいませんでした。


まるで自分が学生だった頃のようです。


実はここ数年オーディオに興味がある生徒さんはほとんどいませんでしたので。


今年の生徒さんの良いところは自分の音楽環境を少しでも良くしたいと思っている人が多いことです。





僕の学生時代にはクラスに真空管アンプを100台作っている友人がいました。


すぐに隣のクラスにも真空管アンプを作っている仲間を見つけて毎日少しでも音が良くなるように実験を繰り返していました。


授業が終わると秋葉原を回ってパーツを探し、休日は石材店を探してはスピーカースタンドになりそうなものを購入して試してました。


学生ですから失敗することも沢山ありましたが、その時の経験が今の仕事でも役立っているのは間違いないです。





彼らにも音の違いが分かった時の楽しさ、工夫することでどんどん音が良くなっていく楽しみを感じてもらえたらと思いました。


授業は今週で終わりですがとても楽しみです。