Saidera Mastering Blog

CDマスタリング、DSDレコーディング、ハイレゾ配信&ストリーミング。 サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。

[]モニター改善策(その4)「吸音と反射をコントロールする」

チーフ・エンジニアの森崎です。

モニタースピーカーの調整では吸音と反射がポイントです。吸音しすぎると部屋はデッドになり、反射が多いとライブになります。部屋の調整は吸音材を少しずつ色々な場所に貼りながら、余計な響き(フラッターエコー)をとるところから始めます。サイデラ・マスタリングの天井にも色々なところに吸音材が貼ってありますが、これも音を聴きながら貼っていきました。

音がたまりやすい場所はコーナー部分、特にスピーカーの後ろ側と、相対する天井のコーナーです。フラッターエコーをとる作業はEQで低音を調整していく作業と似ています。基本は少ない量で効果がある場所に貼っていきます。まずは左右のバランスを確認して下さい。片側だけ余計な響きがあるとそちら側の音の抜けが悪くなります。左右のバランスが整ってきたら、センターのバランスを確認します。全ての楽器が分離よく聴こえるか?

吸音だけではなく、スピーカーの角度も調整しながら行なって下さい。モニター調整の確認には聴き込んであるCDを使うのが良いと思います。音数が少なく、センター成分がきちんと再生される作品がベストです。モニター調整をすることで部屋に慣れるだけでなく、その部屋の特徴も分かってきますので、時間はかかると思いますがどんどんチャレンジして頂きたいと思います。