Saidera Mastering Blog

CDマスタリング、DSDレコーディング、ハイレゾ配信&ストリーミング。 サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。

[]Saidera Masteringのモニター環境(その4)「ラジカセの使いこなし」

チーフ・エンジニアの森崎です。

今日はラジカセの使いこなしについてです。
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最近では高性能なミニスピーカーが沢山あるのにどうしてラジカセでチェックしているのか?それはラジカセはスピーカーの間隔が絶対に変わらないからです。スピーカーの間隔が変わってしまうと音像の大きさや広がりが変わって聴こえてしまうため僕はあえてラジカセを使います。

ラジカセでのモニター時にチェックのポイントは3つ。
1. 100Hzから10kHzぐらいのレンジでバランス良く聴こえるか?
2. 小さなスピーカーでもKickがきちんと聴こえるか?
3. スピーカーの間隔が狭いのでセンターの音、キック、スネア、ベース、ヴォーカルがはっきり聴こえるか?

音源のヴォーカルがノーマルとUPの2バージョンある場合が多くありますが、ラジカセでチェックすると音量も小さいのでより客観的に聴くことが出来ます。ただしマスタリングをするとヴォーカルは前に出るようになるので、オケとのバランスを加味しノーマルバージョンを選ぶことももちろんあります。

低域のバランスチェックにもラジカセは大活躍してくれます。というのもラジカセには低音増強のメガベースなどといったスイッチがあり、これを押すと低音がブーストされたカーステレオなどの環境をシュミレーション出来ます。レゲエやHIP HOPなど低域にエネルギーのあるサウンドはキックがブンブンしてしまうことがありますので、最終チェックではこの状態でバランスを確認しています。