Saidera Mastering Blog

CDマスタリング、DSDレコーディング、ハイレゾ配信&ストリーミング。 サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。

[]クロックの選択



チーフ・エンジニアの森崎です。


本日はクロックの選択についてお話したいと思います。


マスタリングではクロックの選択は音の方向性を決める上でとても大切です。


特にADコンバーターにワードクロックを使うか?インターナルクロックを使うか?


ニュアンスが大きく異なります。





それではワードクロックとインターナルクロックのサウンドの違いについてですが、


スタジオでバンドのレコーディングをしているところをイメージして見てください。


ワードクロックの音はクリックを聴きながら演奏しているリズムがしっかりしている感じ、


インターナルクロックの音はクリック無しで演奏している感じ、


緊張感が抜けているのではなくいい意味で方の力を抜いて自然に演奏しているような感じです。





実際にはワードクロックを通すと音の密度が上がり、フォーカスが合ったサウンドになります。


インターナルクロックは柔らかく自然な広がりで音に窮屈さがなくのびのび鳴ります。





なので、曲を聴かないままワードクロックをかけておけばいいという安易な音作りはしていません。


ワードクロックが曲に合っていないとカチカチのリズムばかり強調されたサウンドになることがありますので。





先日のマスタリングでは安田寿之さんのプロジェクトは3/4のサウンドをイメージして、


作りこみましたので音がしっかりまとまるようにワードクロックをかけました。


↓↓


http://www.ysd-to.com/2009/10/post_8.html







逆に難波章浩さんのプロジェクトではもともとのオケがシャープで勢いのあるサウンドだったので、


インターナルクロックでグルーヴ、抑揚を引き出すようにしました。





最後に、僕がインターナルクロックを積極的に使える理由は、


サイデラ・マスタリングの電源環境にあります。


300Aもありますので100Aで機材をオペレーションした場合とでは、


根本的なサウンドのレベルが違うんです。


音のエネルギー、艶、鮮度、どれも圧倒的に違います。


美味しい水で作った米は美味しい、そんな感じがしますね。


インターナルクロックの音はそのブランドがイメージしているサウンドなので、


とても音楽的な鳴りをするところが気に入っています。





ぜひワードクロックだけでオペレーションしていたら一度インターナルクロックも聴いてみてください。


きっと新しい発見があると思いますよ。