Saidera Mastering Blog

CDマスタリング、DSDレコーディング、ハイレゾ配信&ストリーミング。 サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。

[]EQ2段がけ(その2)「実践編」

チーフ・エンジニアの森崎です。
アナログEQとデジタルEQの良さを生かした使いこなしを説明します。

皆さんご存知だと思いますがGML Model8200というアナログEQの名機があります。(サイデラ・マスタリングにもジョージ・マッセンバーグのサイン入りのものがあり、大切に使っています)
ただ、このモデルはつまみがクリック式ではないのでセンターがきちんと合っているモニタースピーカーがないと、LRを合わせるのがなかなか難しいと思います。しかし、こんなに音が良い機材を使わずにデジタルだけで処理してしまうのももったいない話です。

そんなときはEQをオフにして8200をスルーで通してみて下さい。アナログEQを★パッシブEQとして使うんです。※アンプ回路を通さずにという意味です。ただ通すだけでも輪郭がしっかりとした深みのあるサウンドになりますよ。この使い方だとLRのずれは限りなく少なくすみますので、フォーカスがきっちり合ったサウンドを作ることが出来ます。

そして、音作りはプラグインのMDW Hi-Res Parametric EQで行ないます。このプラグインはすごくいいですが、アナログEQを前段で通すことでよりリアルなGMLサウンドをリコール付きで、使いこなすことが可能です。
この使い方はあらゆるアナログEQ、デジタルEQで応用出来ますので、アナログのニュアンスをプラスしたい時にはぜひ試して下さい。