Saidera Mastering Blog

CDマスタリング、DSDレコーディング、ハイレゾ配信&ストリーミング。 サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。

[]モニター改善策(その9)「リファレンスCDを使用する」

チーフ・エンジニアの森崎です。

プライベートスタジオのモニターを改善するには、現状のサウンドを把握する必要があります。チェックには良く聴き込んであるリファレンスCDを使います。

まずは音楽の要となるKick、Bass、Vocalに注目してみましょう。これらの楽器がどのように鳴っているのか、注意深く聴いてみて下さい。(その前にヘッドフォンでリファレンスCDのバランスを確認するのも良い方法ですね。)例えばKickが大きすぎる、Bassが小さい、Vocalが小さいなど。もし、このようなモニターで音楽制作をするとそれとは反対の仕上がりになりますので、TDマスターはKickが小さく、Bassが大きく、Vocalが大きなサウンドになります。

まずは現状を把握するだけで十分です。大切なのはいまのバランスをしっかり理解することです。次に低域のみに注目してみます。少しだけ音量を上げてみて部屋鳴りを確認してみます。Kickがドンドンしすぎているか?Bassがブンブンしすぎているか?確認してみて下さい。

最後に色々なCDを再生してみます。その時、特定のピッチの音だけが大きく鳴る場合はその周波数で定在波が存在していることが確認出来ます。このチェックで出音を改善すれば良いのか、定在波を対策する必要があるのかが分かります。出音の改善はスピーカーのセッティング方法で、定在波は部屋の吸音で解決出来ます。