Saidera Mastering Blog

CDマスタリング、DSDレコーディング、ハイレゾ配信&ストリーミング。 サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。

[]低域の処理(その3)「超低域の確認」 

チーフ・エンジニアの森崎です。

本日は低域のコントロールについて。



VUメーターはすごく振れているのに音圧感がない。これは人間の耳にはほとんど音として認識されない超低域成分でVUメータが振れているだけで、キックやベースの基本成分が足らない時に起きる現象です。



原因は、

(1)超低域成分の多い音源を選択している。

(2)キック、ベースで、同じ帯域を強調している。

(3)キック、ベースで、ある特定の音域が共鳴している。



マスタリングでの対策は

・キックのみならローカット(ハイパス)フィルターをかける。

・マルチバンドコンプ等で帯域を区切りレベルを下げてみる。



多くの場合はこの二つで解決出来ます。もしベースが原因ならシェルビングEQでその帯域を見つけ下げる必要があります。



ハイパスフィルターの帯域は20Hz〜40Hz辺り。

マルチバンドコンプで下げる帯域は80Hz〜160Hz以下。

ベースの帯域は25Hz〜100Hz辺り。



音の密度が上がりVU計の振れが下がっていればOKです。ヘッドフォン、ラジカセでも低音の鳴りが改善され、聴きやすくなっているはずです。