[]配信用のマスタリング(その3)
チーフ・エンジニアの森崎です。
本日は配信用のマスタリング、特に音作りについてお話しします。
配信用のマスタリングでお客様に最初に確認することは、「どのようなフォーマットで配信するか?」ということです。
例えば96kHzの高音質配信であればマスタリングした音源をクオリティーを落とさずに、そのまま配信することが可能です。それに対しMP3では低ビットレートでのエンンコード時に16kHz付近でローパスフィルターをかけるエンコーダが多いのでその対策をする必要があります。これはCDマスタリングでラジカセなどの小さなシステムで試聴されることを考慮した音作りと似ています。
僕の場合、MP3用のマスタリングでは音の主成分が出来る限り100Hzから10kHzの間で収まるよう音作りをしています。例えば音を明るくしたいのなら高域を上げるではなく、低域をカットしながら同じようなニュアンスに仕上げていきます。
またエンコードされても歌詞がはっきり聴き取れるように、声質が変わらないように、特に注意しています。オケについてもビートが感じれるようにCD用のマスタリングよりリズムを際立たせ、抜けの良い仕上げにしています。
音楽配信で歌やオケをかっこ良く聴かせたい!なら配信用マスタリングは必須です。