Saidera Mastering Blog

CDマスタリング、DSDレコーディング、ハイレゾ配信&ストリーミング。 サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。

[]コンプの使い方(その6)「入出力レベルのバランス」

チーフエンジニアの森崎です。

マスタリングのトータルコンプにも2通りの使い方があります。
生楽器を中心の楽曲でナチュラルに仕上げる方法とJ-POPやR&B;でハーモニックディストーションをプラスして音が前に飛び出すような勢いをプラスする方法です。

使いこなしの違いはCOMPの入力レベルと出力レベルのバランスです。サウンドをナチュラルにする場合は入力レベルを抑えて出力側で上げます。ハーモニックディストーションをプラスしたい場合は入力をギリギリまで大きくして出力側で下げます。

この入出力のバランスの違いでサウンドに色々なニュアンスを付けることが出来ます。さじ加減が難しいですが、聴いて分からない程度に歪ませることで音に透明感をプラスすることが出来ます。

基本的にマスタリングのトータルコンプはアタックタイムは遅め、リリースタイムは速めです。そうすることでレシオが低くても音がしっかりまとまり、広がりのある音作りが可能になります。アタックタイムが速すぎると音の頭がつぶれてしまい輪郭がぼやける音になってしまいますので注意して下さい。

P.S.
3バンドコンプでLow、Mid、Highに帯域を分けてのレベル調整。
エレクトロ系のノイズのピークを抑えるにはディエッサーが使える。

こちらはぜひ「コンプの使い方(その1)」を参照して下さい。