Saidera Mastering Blog

CDマスタリング、DSDレコーディング、ハイレゾ配信&ストリーミング。 サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。

[]マイナスEQのテクニック

チーフ・エンジニアの森崎です。

マイナスEQのテクニックを使えばレベルがギリギリまで入った素材でも音作りが可能になります。それではいくつかの効果的なEQを説明していきます。

1) まずは低域のEQです。ローエンドがブンブンする時は30Hz前後からローカットフィルターでカットします。 
2) ベースの抜けが悪い時には50Hz前後をピークEQでカットします。
3) 250Hz前後をピークEQでカットするとサウンド全体をタイトに抜けよくすることが出来ます。
4) 500Hz前後をピークEQカットすると軽い質感で抜けを良くすることが出来ます。
5) 2kHz〜4kHzをピークEQカットするとアタック感を丸くすることが出来ます。
6) 6kHz〜12kHzをQを狭くしてピークEQでカットするとヴォーカルの子音を抑えることが出来ます。
7) 10kHz〜18kHzをQを広くしててピークEQでカットするとギラついた感じを抑えることが出来ます。
8) 10kHz前後からシェルビングEQでレベルを下げるとHighのピークを全体的に抑えることが出来レベルを稼ぐことが出来ます。

EQはブースとカットで陰陽の関係があります。1)〜8)の調整をカットではなくプラスにすればサウンドは上記とは反対の質感になります。EQにシェルビングカーブが無ければQを広く設定したピークEQがとても有効です。ただしシェルビングカーブはカーブのスタートポイントの周波数を選ぶのに対しピークEQは中心周波数を選択しますのでそこに気をつけて下さい。例えば10kHzからのシェルビングのようにしたい場合は16kHz辺りをQカーブの緩いピークEQでブーストすると似たような質感を表現することが出来ます。

もちろん、使用するEQによって周波数のフィーリング、効きかたが違いますのでオリジナル音源と聴き比べながら作業して下さい。