Saidera Mastering Blog

CDマスタリング、DSDレコーディング、ハイレゾ配信&ストリーミング。 サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。

[]コンプの使い方(その7)スレッショルドとレシオ

チーフ・エンジニアの森崎です。

今回はコンプ(デジタル・コンプ)のスレッショルドとレシオについて。

マスタリングでのコンプの目的は積極的な音作りより音をバランス良くまとめる最終手段です。使いこなしのポイントは入力レベルの設定です。コンプを通った後のアウトプットのレベルがオリジナル音源よりも2.0dB程度大きくなるのが理想です。僕の場合はさまざまなサウンドに対応出来るようレシオが1.5:1〜2.0:1付近の設定が細かく調整出来るポイントに合わせてレベルを調整しています。

スレッショルドとレシオの設定はいつも2種類のセッティングを試します。例えばスレッショルド-1.0dB/レシオ1.6:1とスレッショルド0.0dB/レシオ1.7:1を聴き比べます。特にヴォーカルの聴きやすさとリズムのグルーヴに注目しながらチェックします。音の方向性が決まったらさらにシビアにレベルの調整を行ないます。音質が少し固いと感じたときは設定はそのままで音源の再生レベルを少し下げるのが効果的です。逆にアグレッシブにしたいときは上げます。

P.S.
音の輪郭をハッキリさせたいときはアタックタイムを遅めに設定します。またリリースタイムが遅すぎるとリズム感が損なわれますので注意して下さい。


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