Saidera Mastering Blog

CDマスタリング、DSDレコーディング、ハイレゾ配信&ストリーミング。 サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。

[]モニタースピーカーの重要性(その1)「正しくスピーカーを置く」

チーフ・エンジニアの森崎です。

「TBU! 2010 x SDMモーニングセッション」のアフターアワーではモニター環境についての質問を沢山頂きました。「どのようなグレードのスピーカーを使えば良いですか?」「低音の確認にはある程度の大きさのスピーカーが必要ですか?」もちろんPMC MB1のようなラージモニターを使用すれば低域のバランスから高域の抜けまで全てのレンジを確認することが出来ますが、一番大切なことは正しくスピーカーを置くことです。

(セッティングの基本)
1)スピーカーの高さはツイーターを耳の高さに合わせる。
2)2本のスピーカーと自分の位置は正三角形が基本。
3)スピーカーはしっかりした台又はスピーカースタンドの上に置く。
4)スピーカーケーブルの長さは左右共通。
5)壁から最低30cmは離す。
6)2本のスピーカーの角度をそろえる。

(解説)
1) スピーカーの高さは2ウェイではツイーターを、3ウェイではスコーカーを耳の高さに合わせるのが基本です。同軸スピーカーは軸の中央を、ホーン型のスピーカーはホーンを耳の高さに合わせます。

2) 音楽制作では2本のスピーカーとリスニングポイントは正三角形の位置が基本ですが、セッティングしにくい場合はスピーカーの間隔を少し広げたり狭めても問題ありません。ただし間隔を広げると音は広がり、狭めると音は真ん中に寄って聴こえます。

3) スピーカーはしっかりした台の上に置くことで、音像のフォーカスが合った音を出すことが可能になります。床置きのスピーカースタンドの場合はカーペットの上よりも、フローリングの上に直接置く方が安定します。

4) パッシブ・スピーカーの場合、片側のスピーカーがアンプに近くてもスピーカーケーブルの長さは左右でそろえます。ケーブルも長さが変わると音色、バランスが変わります。パワードスピーカーの場合はL、Rの電源ケーブル、ラインケーブルの長さを合わせます。

5) スピーカーの後ろの壁がガラスの場合、反射が気になります。壁から十分にスピーカーを離すか音作りのときだけ厚手のカーテンで対策して下さい。またスピーカーの後ろにバスレフポートが付いている場合も少し離した方が良いですね。スピーカーと壁の距離は低音の響きと関連しています。低音が必要な場合は壁に少し近づけると出やすくなります。

6) スピーカーの角度は内側の面が少し見えるぐらいを基本にして下さい。

スピーカーの調整には聴き慣れたリファレンスCDを使います。ヴォーカル、キック、スネアがセンターから聴こえるか、広がりは十分にあるか、キックとベースの分離は、ヴォーカルの抜けは、など最初は音の定位を確認して徐々に音のバランス、音質に注目しながら調整するのが良いと思います。


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