[]サイデラ・モーニングセッション#024終了しました

どうもMUSHです!
サイデラ・モーニングセッション#024「マスタリング道場 All about Mastering」が終了しました。今回は講師のSDMチーフ・エンジニア森崎とのマスタリングQ&A;。参加者のみなさんからの質問にお答えします!今後もTwitter(@saidera001)やBlogコメントで遠慮無く質問してくださいね!


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Q1: 「CD-Rを焼くときに、等倍速が良い」といいますが、一概にそうは言えないのではという経験があります。スタジオで作業されていてどうですか?
A: まさに言われたとおりです。最新の機材は、安定して音が良いのが4倍速です。8倍速でディスクのエラーレートが大きく変わります。最近のディスクメディアと書き込みドライブ、どちらも4倍速を基準に設計しているようです。(注:等速や8倍を基準にしたものもあります)。比較視聴をした上で、さらに音色と速度の実用性、安定性を考慮して4倍速でが良い。書き込みドライブで特に気をつけなければならない点は、ノートPCなどスロットインタイプのドライブはメディアの記録面にオイルが付いてしまう場合があります。それはプレスマスターでは事故の原因にもなります。外付けドライブを使用したほうが良いです。

Q2: 書き込むメディアによって良し悪しはありますか?
A: 工場納品マスターにバルクディスクは使用しません。ディスク(CD-R)としては同じ規格ですが、取り出し時に記録面が擦れる可能性もあります。マスター用メディアの多くは記録面に保護シートが付いています。さらに書き込んだ後で、安全なCDプレーヤーでそのディスクを通し視聴することが非常に重要です。エラーチェッカーも必ずかけます。

Q3: エラーがあるCDは聴けないのですか?
A: エラーはプレーヤーで補正されますから、音は再生されます。試聴や音チェックに使用するにはバルクのCD-Rでも問題ないです。

Q4: 音に現れていないエラーは気にしないですか?
A: サイデラ・マスタリングでは、さきほど申し上げたエラーチェッカーで常に数値を確認しています。どのCD-Rがエラーレートが少ないか(ここは企業秘密ですが)を常にチェックしています。お客さまに安定して、いい音のマスターを、エラーレートの少ないマスターを納品し続けるためには新しいブランドのCD-Rなどが登場した際も何種類もの方法で視聴比較とデータ比較の両方をしています。もちろん音にノイズとして現れているエラーはそこで録音し直してください。音に現れていない場合はディスクエラーチェッカーにかけるしかなく、聴感上はほとんど違いがありません。エラーチェッカーで基準に満たなかったディスクはNGとし再度焼き直します。
関連記事:「エラーチェック」

Q5: エラーチェッカーにはどんなソフトウェアがありますか?
A: サイデラ・マスタリングでは、「Plextor PlexTools Professional」を使用しています。エラーチェックした結果はプリントアウトしてマスターに添付します。このPlexToolsはPlextor社製の特定のドライブとの組み合わせでしか動作せず現在販売は終了しています。他にはプレス工場などの業務用機があります。マスタリングというと音質がまず語られますが、プロの現場や工場では品質管理という意味でエラーチェッカーをかけて確実なマスターを納品することは常識です。その為のチェック(実時間の通し視聴とエラーチェッカー)の行程があります。
関連記事:「ノイズチェックとは」

Q6: DDPマスターは音が悪いと聴いたことがありますが、どうですか?
A: DDPとは、Disc Description Protocolの略で、記録媒体に依存しないファイル形式のマスターです。ファイルなのでディスクに書き込むこともできるし、USBメモリに入れたりネットで直接工場に転送することも出来ます。サイデラ・マスタリングでは「That's DVD-R for master」で納品します。CD-Rマスターに比べてDDPマスターの方がプレス後の音の変化が少ないです。DDPはCD-Rのようにディスクブランドによる音の違いははるかに少ないです。マスタリング時にしっかり音を作りこめば非常に良いフォーマットです。DDPマスターを推奨します。

Q7: DDP用のフォーマットがあるんですか?
A: 米国 DCA社が開発したオープンライセンスの規格があります。現在はDDP Version 2.0が主流です。DDP対応のマスタリングソフトでないと作成することは出来ませんが、安価なソフトも増えてきています。オプションで対応可能のソフトも多いですね。

Q8: プレス工程で音の変化はありますか?
A: あります。ただどれもCDという規格には入っていますから、データとしては同じです。通常のCDとは別種の液晶パネル用ポリカーボネート樹脂を使用するSHM-CD、またBlu-ray Disc用に開発された高分子ポリカーボネート採用のBlu-spec CDなど、素材によっても印象が微妙に変わります。工場でも20年も前のラインから最新のラインまで、リッピングしてしまえば同じデータですが、リアルタイムで再生するプレーヤーとの相性や再生機器、特にDAコンバーター、ケーブルなどの違いの方がプレス工程での違いよりは劇的に大きいですから、プレスの違いは神経質にならない方がよいと思います。コストを考えながらも信頼できる工場を選ぶことは非常に重要です。
また再生機器に依存しない帯域というのがあり、僕がマスタリングで気をつけているのは、そこを上手に使うことです。特に低音は低すぎる帯域は使わず、しかし聴感上は低域がしっかりあるように聴こえるように仕上げます。

Q9: TDはスモールスピーカーで作業して、スタジオのラージモニターを使うのはTD終了後の試聴くらいしかないことが多くあります。それでそのTD音源を自宅で聴くと低域が多すぎることがよくあるのですが?
A: モニター環境の問題ですね。正確なモニターとは、その低域まで聴き取れるモニターではないでしょうか。スモールスピーカーでは再生しきれない帯域を、ラージモニターでチェックしながらミキシングを進めていけば、あとから低音が多かったという問題はおきません。もっともラージモニターが正確に再生していることが前提です。
常に切り替えることが出来なければ、せめて1曲目のTDが終わった段階で(1)ラージモニターと(2)普段の視聴環境で聴いてみることを奨めます。モニター環境の特性は、そのまま(反対の特性で)TDなどで録音されます。スモールやニアフィールドモニターで低音が再現しきれていない場合に、録音されたミックステイクに低音が多くなったということです。ラージモニターの注意点は、耳への負担が大きいので長時間の作業の場合は音量を上げすぎないことが重要です。スモールとのバランスが分からなくなるので、低域のチェックや全体的なレンジのチェックなどポイントを決めてラージモニター使用したほうがよいかと思います。そして最終OKの段階では(3)スモールと(1)ラージ両方、できれば(2)普段の視聴環境でも聴いておけばパーフェクトですね。

最近は大きなスタジオのメンテナンスが行き届いてない場合があると聞きます。ラージモニターの中にはセンター定位がずれてしまっているものやへたってしまっているものも中にはあるらしい(あるまじきことですが)ので注意が必要です。直前までドラムの録音をしていたなどということも考えられますので。スタジオでは、まず最初にリファレンスCDをかけてモニターの正常な動作と音質、バランスなどをしっかり確認して、その部屋の特性を把握しておくことが大切です。サイデラ・マスタリングでは、なにをおいても常に正確なモニター環境であることをポリシーとしていますので、マスタリングだけでなくミキシングの仕上げから作業することもできます。
関連記事:「色づけのないモニターシステム」

Q10: 打ち込み系などで、ラジカセで聴くと音がはみ出てしまっているような処理をよく聴きますが、レベルはどの程度を目安にすればよいでしょうか?
A:  歪まないように。レベルのつめすぎに注意してください。トータルコンプレッションはかけすぎずにミックスし、マスタリングで聴感上、体感上の音量感を上げように音像を大きくすることで解決できます。
関連記事:「TDでのヘッドルームの重要性」

Q11: ミックスの段階でどの程度音を作りこめばいいですか?
A: 濃く味付けた料理を仕上げの段階で薄味にするのは困難ですがその逆は可能ですね。マスタリングも同じで硬いサウンドのTDマスターを柔らかい仕上がりにするのは限界があります。ヘッドルームに余裕があるほうがマスタリングでの選択肢も広がり仕上がりも良くなります。ただし音楽的に必要な歪み感などはミックスで入っていたほうがマスタリングもスムーズです。まずはミックスで一番重要なのは良いバランスを作ることです。

++次回告知++
「Saidera Mastering モーニングセッション#025」
◎日時:11月5日(金)9-10AM 無料 (受付中)
◎テーマ:「DSD レコーディングされたCDの視聴会」
最後のCDフォーマットに落とすところまでは全てDSD制作の作品視聴。
場所:サイデラ・マスタリング PMC MB1 x5.1ch 地図
◎参加申し込み:メールにて。saraudon009@gmail.comまで、お名前/ご所属をご記入ください。
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