Saidera Mastering Blog

CDマスタリング、DSDレコーディング、ハイレゾ配信&ストリーミング。 サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。

[]失敗のないTD音源作り

チーフ・エンジニアの森崎です。

今回は、これから作業を始める方の為に失敗のないTD音源作りについてお話します。
自分が納得出来る仕上がりのTD音源を作るにはどうすれば良いか?
それは、基本的なことですがマスタリング・スタジオに持ち込むOKテイクのプレイバックを行なうことです。

例えばPro ToolsでTD作業する場合、バウンスしてファイルを書き出し、外付けHDDに保存すると、ファイルのバウンス時、外付けHDDに書き込み時に微妙な音質の変化が生じます。一つ一つの音質変化はわずかであっても積み重なるとバウンス前のサウンドとはイメージが違って聴こえることがあります。

もしOKテイクをプレイバックして予想よりレンジが狭く感じた、抜けが悪く聴こえた場合、コンプのかかり具合を緩める、中低域を少し抑えてみる、などファイナルタッチを施せばいいんです。微調整してからもう一度録り直せばよりイメージに近いサウンドに仕上げることが可能になります。この一手間を加えるだけでマスターのクオリティーはかなりアップしますよ。

また、KORG MR-2000SにDSDでTDする場合、何を聴きながらTDするのが良いですか?という質問も頂きます。MR-2000SにDSD録音する場合はMR-2000Sのインプット(録音待機時のアウトプット)を聴きながら行なって下さい。PCMとDSDでは音質が異なります。DSDのサウンドは立ち上がりが速く広がりがあり音の切れ際までハッキリ聴こえるので、リバーブやEQのかけ具合が変わってきます。DSDはインプットとアウトプットがほぼ同じ音質で再生されます。PCMのような予想しながら音作りをしなくて良いこともDSDの特徴の一つだと思います。

P.S.
僕の感想ではKORG MR-2000Sはほんの少し透明感がプラスされます。音楽的なサウンドですがよりフラットに仕上げるには、ラインケーブル、電源ケーブルでの音作りをお勧めします。


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