Saidera Mastering Blog

CDマスタリング、DSDレコーディング、ハイレゾ配信&ストリーミング。 サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。

[]ローエンドの処理

チーフ・エンジニアの森崎です。
本日は難関、ローエンドの処理について。

低域は「多くても心地よい音」と「多すぎると音楽のバランスを崩してしまう音」があります。ローエンドの処理はマスタリングのキーポイントの一つです。音圧、音量、レンジ、バランスなどはこの帯域の扱い方で全く変わって聴こえます。

確認にPC用スピーカーなど口径の小さなスピーカーで聴いてみることは一つの手段です。スタジオモニターと聴き比べてどのような音の変化があるか、じっくり聴き比べて下さい。国内外を問わず良い作品はあらゆるシステムでバランスよく再生されますね。ここに音作りのヒントが隠されています。というのもローエンドには実音よりも楽器の響き、部屋の響きなど広がり、空気感を表現する音が存在するのです。

マスタリングで役立つローエンド処理の効果的な方法を説明します。
1)キックの音が次の音符にかぶってビート感が出ないとき、低い帯域から徐々にローカットしていくと良い感じで音が止まるポイントが見つかる。

2)J-POPやロックで低域が多すぎて中域のギターやヴォーカルが聴こえにくい場合、ローカットをすると厚みが増し音が前に出るようになる。

3)メーターの振れより音圧感がないときは低域を確認。低い帯域から徐々にローカットしていくと透明感のある音からマットな厚みのある音に変化していく。抜けが悪くならない一歩手前がスイートスポット。
低域の処理(その2)「ローカット」
低域の処理(その3)「超低域の確認」

4)96kHz/24Bitのマスター音源を48kHz/24Bitのようなニュアンスを表現したいときにも効果的です。
ハイパスフィルターでシビアに調整する

最初は20Hz〜30Hz辺でローカットしてみて下さい。1Hz変わるだけで音のニュアンスは変わります。周波数だけでなくカーブのパターンも3dB/Oct、6dB/Oct、12dB/Oct、ベッセルカーブなど切り替えることで様々な表現が可能になりますよ。


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