Saidera Mastering Blog

CDマスタリング、DSDレコーディング、ハイレゾ配信&ストリーミング。 サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。

[]音作りの3ステップ

チーフ・エンジニアの森崎です。
本日はプラグインでも簡単に出来る、音作りの3つのステップについて。

1)音のキャラクター決め。
2)バランス調整。
3)個々の楽器の音作り。

1)マスタリングで一番大切なことはTD音源のクオリティーを100%引き出すことだと思っています。そのためEQなどを施す前に、楽曲やジャンルに合った機材、ケーブルの選択を最初に行います。目的は機材、ケーブルのもつサウンドキャラクターを積極的に音作りに反映するため。もう一つは聴き比べの過程でアーティストの好み、音の方向性を理解するためです。
プラグインで作業する場合、最初に楽曲に合ったプラグインを選択します。

2)次にバランスの確認をします。問題なければそのままでOK。例えば低域が少し多い場合はマルチバンドコンプでバランスを整えます。(この作業ではコンプは使わず、あくまでレベル調整のみを行います)クロスオーバーは60Hz〜160Hzあたり。ほんの少しレベルを下げると音の抜けが良くなるはずです。また、メーターは触れているけど聴感上の音圧感が無いときも低域が多すぎるので少し下げましょう。

3)そして最後に個々の楽器の音作りを行います。1)、2)で仕込みが出来ていれば音作りはとても簡単になります。マスタリングではトータルでEQを施すので必要なポイントのみを正確にブースト、カットする必要があります。例えばボーカルなら声の量感、芯、倍音、艶と分けて考えます。

<ボーカルの基本EQ>
声の量感:600Hz〜800Hzをブースト
声の芯:1.0kHzから1.5kHzをブースト
倍音:12kHz〜16kHzをブースト、10kHzからシェルビングでブースト
艶:2kHz〜3.0kHzをブースト
子音が強い:6kHz〜12kHzをカット

男性ヴォーカル、女性ヴォーカル、ジャンルによって処理は異なりますが大切なことは必要な帯域のみをEQすることです。オリジナル音源と比較しながら行うことをおすすめします。

機材、バランス、ヴォーカルの音作りを同時に判断するのはなかなか難しいですよね。上記のように音作りの過程を分けると、いま行っている音作りを集中して聴くことが出来ますよ。


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