Saidera Mastering Blog

CDマスタリング、DSDレコーディング、ハイレゾ配信&ストリーミング。 サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。

[]dCS 905 AD Converter:ラインケーブル・ADC徹底視聴予習編(その3)

チーフ・エンジニアの森崎です。
2月15日のサイデラ・モーニングセッション#034「アンコール開催!マスタリングセミナー -ラインケーブル・ADコンバーター徹底視聴-」で視聴するものを、シリーズでレビューします。(その3)はdCS 905 AD Converter。

・32kHz〜384kHz、16bit/24bitのワードレングスで動作する2ch ADコンバーター
Sony DSDフォーマット(DSD2.8MHz)もサポート。
DSD信号を44.1kHz/16bitのAES信号として8トラックレコーダーに記録することができるDSD4機能、44.1kHz/24bitで6トラックに記録できるP3D機能が搭載。(DSD対応レコーダーを用いなくてもDSDレコーディングが可能)

dCSの開発理念は演奏した音楽をそのまま聴き手の眼前に再現することです。レコーディングエンジニア、マスタリングエンジニアたちは 思い描いた情報を、能う限り精密に、メディアに注ぎ込むことに最大限の神経を使っています。アーティストの心血注いだ作品を、そのまま再生することがdCSの製品哲学であり、使命である、と考えております。(カタログより抜粋)

これは僕のマスタリングのポリシーとも同じ!この開発理念で作られた機材ですが現在はディスコンになってしまいました。

そのサウンドはステージの広がり奥行き、静寂の中から音が立ち上がった時の緊張感が分かります。ダイナミックレンジが広く低域が豊かでしなやか。SNがとても良い。よってアーティストの気配まで感じることが出来ます。dB Technologies4496は演奏のグルーヴをダイレクトに聴かせるコンバータなのに対し、dCS 905はステージで演奏しているアーティストの姿が見えるようなリアリティーがあります。ナチュラルで空気感のある音で、コーラスを重ねたヴォーカルものやストリングスやシンセを活かしたアレンジの曲に使っています。ヴォーカルはふわっと広がる倍音が魅力。キックはアタック感より音量感のあるサウンド。リズムはPrism Sound Dream ADA-8のように全面的に押し出してくる感じではないが、立ち上がりが速くボリューム感があります。

このコンバーターが特に合うのはライヴ音源。その空間の広さ、部屋の材質までも聴き取ることが出来るサウンドです。音のリアリティーを表現したいとき楽器の質感、ギターやバイオリンだったら木の質感、トランペットやシンバルなら金属の質感を表現することはとても大切で、その表現力に長けたコンバーターです。


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