[]ミックスマスターのレベル(その3)「音量レベルの小さなミックスマスター」

チーフ・エンジニアの森崎です。
本日は音量レベルの小さなミックスマスターについて。

メリットはズバリ音質の良さです!ヘッドルームに余裕がありレベルオーバーにより歪むことがないためハイエンド/ローエンドまできれいに伸びて、演奏のダイナミクス・奥行き・広がりが繊細なところまで再現されます。クラシックやジャズはもちろん、ポップスやロックでも声や楽器の質感をナチュラルに表現したいときはレベルを入れすぎずにミックスを仕上げましょう。瞬間的なピークでも-1.0dB程度までに押さえた音量レベルがベストです。アウトボードや、複数のプラグインをインサートしての音作りでも、ミックスマスターの音量レベルはヘッドルームに余裕を持たせることで歪まずにクリーンなサウンドを得ることが出来ます。

また、みなさんもミックスでEQをすると思いますが、「ブースト方向にEQ」することが多いのではないでしょうか?ヘッドルームに余裕がなければEQでブーストすることでマスタートラックは、ピークに達して音が硬くなったり歪むことがあります。複数の帯域を、例えばボーカルなら声の芯(1.0kHz)、輪郭(6kHz)、倍音(16kHz)などでEQする場合はより多くのヘッドルームを持たせましょう。またEQする帯域が増えるとEQカーブの重なりでフレーズによっては思わぬピークが生じることがあります。

意外だったのが、ミックス時に出来るだけ音量を入れた方がマスタリング後の仕上がりの音量を大きくできると思っている方が結構いること。そんなことはありませんよ!小さめのミックスでもマスタリングで十分に音量を大きく仕上げることはもちろん可能で歪ませずに聴感上で大きなレベルをつくり出すことができます!マキシマイザーを入れたくなる気持ちもわかりますが、一度バイパスさせてモニターしてみましょう。ミキシングで音量より大切なことは「音楽としてのバランス」です。演奏が分かりやすく聞こえること。歌とオケのバランス。音量レベルやモニターシステムが替わってもニュアンスが変わらないことです。


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