[]0.5デシベルのアップ/ダウン

チーフ・エンジニアの森崎です。
0.5dB(デシベル)の違いが、微妙なニュアンスの表現につながります。
高音質配信などダイナミックレンジの広いサウンドを扱う時にも必須です。

(1)オケとボーカルのバランス
(2)ロー、ミッド、ハイ帯域
(3)アタックを強調
(4)インプット・レベル


[ 解説 ]
(1)オケとボーカルのバランス。
「ボーカルちょっと大きめ/小さめ」という場合、まずは0.5dBアップ/ダウンで聴いてみましょう。ボーカルトラックを1.0dB大きく/小さくするとオケとヴォーカルは、離れすぎてしまうことがあります。音数の少ないR&B;、バラードなどは、ボーカルの音像(声の輪郭)が大きく聴こえますから0.5dB小さめ、リズム楽器だけでなく、シンセ、ストリングスなど色々な楽器が入った音数が多いオケの場合は0.5dB大きめのテイクも念のため押さえておくといいですね。


(2)オケのバランスとは一つ一つを細かくバランスをとることは当たり前ですが、3バンドやシェルビングEQでざっくり調整するとサウンドの方向性が見えてきます。帯域はロー(〜120Hz)、ミッド(120Hz〜4kHz、6kz前後)、ハイ(4kHz、6kHz〜)辺りで分けます。DAW内でミックスしているとレンジが広過ぎて中低域に厚みがなく感じる事があります。ミッドレンジを0.5dB程アップするとアナログ機材を通したようなローエンド、ハイエンドが少し落ちたかまぼこ型のバランスになり、厚み、密度のあるサウンドを得る事が出来ます。またトータルでコンプをかけるとシンバルやハットがシャカシャカ目立って歌の存在感がマスキングされることがあります。COMPの前にEQでハイを0.5dB下げることで、相対的にロー、ミッドレンジにコンプかかかりやすくなり歌の存在感がぐっと増します。


(3)ミックス時、キックやヴォーカルを強調してもサウンドに変化が無い、リズムがタイトに聴こえないときは音の芯、輪郭がはっきり聴こえにくい事が考えられます。EQでアタックや声の芯を強調する場合も0.5dB単位のアップ/ダウンからスタートすると良いでしょう。キックの芯は柔らかめなら100Hz、固めなら120Hz、スネアは1kHz、1.2kHz、1.4kHzで音楽に合った質感を選びます。僕はヴォーカルは1.1kHを基本にしてます。女性ヴォーカルなら1.4kHz。アーティスト、ジャンルに合わせて周波数は細かく変えましょう。


(4)ヘッドアンプ、AD/DAコンバーター、アナログEQ、アナログCOMPなどアナログ入力のある機材はすべて入力レベルで音質が微妙に変化します。透明感のある音質を得るには、当たり前ですが歪まないレベルで入力します。さらに0.5dBステップで徐々に大きくしていきます。ある程度入力レベルを大きくしていくと音質が「特に変化無し」→「明るい/透明感有り」→「歪みが出始める」という3段階に変化するところがあります。機材にもよりますが、歪みが出始める瞬間からだいたい0.5dB下げたポイントがスイートスポットで「明るく透明感あるサウンド」を得ることが出来ます。そこからさらに0.1dBずつ微調整すれば更にイメージ通りのサウンドを得る事が出来るはずです。音質は若干異なりますがプロツールスなどDAWのマスターフェーダーの入力レベルについても同様の方法でニュアンスのコントロールが可能です。


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