Saidera Mastering Blog

CDマスタリング、DSDレコーディング、ハイレゾ配信&ストリーミング。 サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。

[]『Keiichiro Shibuya/ATAK000+』5.6MHzDSDマスタリング@サイデラ・マスタリング


2011年8月24日
http://twitteritter.com/#!/keiichiroshibuy

twitter*今日はATAK000+のマスタリング@サイデラなのでデータ整理のため早起きしましたー

twitter*これからサイデラマスタリングでATAK000+のリマスタリング♪( ´▽`)

twitter*僕のファーストアルバムに新曲2曲入って来月にリリースします☆


(スタジオ到着)

森崎:おはようございます!おひさしぶりです。

渋谷慶一郎:やあ、これなんですが。こちらがCDR、16ビット/44.1kHz、新曲は2曲で32ビットフロート/48kHzです。

twitter*サイデラでマスタリングなう

森崎:もとのアルバム素材はCDRなんですね。では、DSDにアップコンバートしましょう。2.8MHzと5.6MHzの2種類つくってみますので、聴き比べましょう。

渋谷:5.6MHzがいいね。全然解像度が違うね。音の立ち上がりも速い。2.8MHzは確かにパンチは出やすいけど普通になっちゃうよね。

森崎:5.6MHzは音が出た瞬間の緊張感が違いましたね。ノイズの重なりまで鮮明に聴こえますね。

渋谷:音のフォーカスも5.6MHzのほうがシャープだね。2.8MHzだとちょっとぼやけたかな。今回のATAK000+はよくある音圧だけ上げたリマスターじゃなくて、いまのテクノロジーだから出来る最新のサウンドにしたい。なおかつ元のATAK000より音量もよりも大きく、音像も大きくしたい。そう考えると5.6MHzのほうが断然いいですね。5.6MHzで音圧出す方向でおねがいします。

森崎:そうしましょう!その5.6MHzのDSDファイルをKORG MR-2000Sでプレイバックして、Prism Sound MLA-2をインプットスルーします。それを24ビット/88.2kHzにAD変換して、24ビット/88.2kHzのままでTC Electronic SYSTEM6000でEQ、コンプなど微調整して、最終的に16ビット/44.1kHzに落とします。では、ADコンバーターのキャラクターを聴いていきましょうか。最初はPrism Sound Dream ADA-8から。

渋谷:音圧のある曲にはADA-8とACROTECHのケーブルの組み合わせがいいね。キックのアタックやエッジ感がすごくいい。例えば、いまよりもっと広がりを出すことって出来ます?

森崎:ADをdCS 905に変えてみましょう。

渋谷:奥行きとか広がりはあるけどちょっと立ち上がりが遅くなったかな。音の立ち上がりの速さは絶対に必要。

森崎:これでどうです?MLA-2からADコンバーターへのケーブルを変えてみました。(Saidera Ai SD-9003ケーブル/ROCK ONだけで販売中)

渋谷:このサイデラのケーブルとdCS 905の組み合わせはいいね。ADA-8に比べるとdCS 905は派手で肉厚になるけど少し音の立ち上がりが遅くなる。それをタイトなサイデラのケーブルで補完するという感じかな。スピード感はこのぐらい欲しい。

森崎:それにしても、この1曲目のピアノの音はすごいです。どうして後ろに定位しているのに音像が大きいのですか?

渋谷:すごいでしょ。僕は音作りにほとんどリバーブは使わない。後ろにあるノイズの音に秘密があるんだよね。で、このピアノの音はfor mariaのピアノを徹底的に分解して使っているんです。

森崎:この立体感と奥行きは聴いたことが無いです。

渋谷:あとこのノイズのサウンドファイルはライブでも使うけどお客さんの反応がすごかった。三次元的にフロアを音が動き回るからみんなトリップしたみたいに踊るんだよね。

森崎:トリップするの分かります。ノイズがすっと頭に入って来るんですよ。僕も最初にプレイバックした時に鳥肌が立ちましたから。この5.6MHzのサウンドをクラブで鳴らしたらさらにすごそうですね!

渋谷:それすごそうだね(笑)。

森崎:まずこのセッティングで1曲目を録りましょう。

渋谷:ん?森崎さん、さっきと何か設定変えました?音のフォーカスがぼやけてるね。あと立ち上がりが遅い。

森崎:渋谷さん、さすが、耳がいい!実はデジタル機材はプレイバックするとき、偶数回と奇数回で音色が違うんです。おそらく次はバッチリなはず。

渋谷:そうなんだ!あ、今回はアタックが全然違う!こっちにしよう。

森崎:この違いが分かる人はなかなかいない。後ろの席でこの違いをどうやって聴き分けているんですか?

渋谷:僕は音をを手触りとか、色の違いのような感覚で聴いているんですよ。周波数よりも耳でどう聴こえるかで判断してるんです。だから言語化する以前の感覚でこれはいい、これはダメっていうのが一瞬で分かれちゃう。

森崎:先入観なく感覚的に聴いているから判断が早いんですね。しかも音楽的に判断してくれますから音作りがとても楽です。

渋谷:すごく繊細な音だけどレベルは入っていますか?

森崎:元のATAK000よりも入っていますよ。メーターはかなり振れています!アップコンバートしたからノイズが心地よく聴こえるのかもしれないですね。

twitter*これはすげー

森崎:いやあ、渋谷さんさすが、耳がいい。こっちは5.6MHzでノイズまで・・・

渋谷:こっちのほうが全然いい。

森崎:そういえば僕みたいに機材やケーブルを交換して音作りするエンジニアっていないですよね。

渋谷:そうだよね。でも、それはサイデラのモニター環境が分かりやすいから出来ることでしょ。モニターがクリアじゃないと無理な方法だよね。

森崎:さっきの音の違いはハイエンドの0.2dBのEQの違いですよ。

渋谷:でも明らかに違うよね。こっちのほうが音が明るいしタイトに出てくる。ノイズの粒子の印象が全然ちがう。森崎さん、この音、ダブって聴こえないはずなんですけど、何とか補正出来ます?

森崎:ビートが細かいところなのでリミッターの微調整をしましょう。

渋谷:あ、いまの感じがいい!どのぐらい変えたの?

森崎:リミッターのスレッショルド0.1dB弱くしました。渋谷さん、レベルの0.1dBだけでなく1Hzの違いも簡単に聴き分けますね。

渋谷:うん、分かる。森崎さんケーブルをさっきの広がりあるのに変えたほう良さそうだよ。

森崎:先に言われちゃ、困っちゃいますね!Wire Worldのケーブルに変えましょう。

twitter*デジタルミュージックでのDSDの新しい使い方、おすすめしまうす

twitter*いや、DSDにアップコンバートしてから解像度高い状態でマスタリングしてCDに落とし込むのです。RT (Aさん): DSDのマスタリングとか、すごそうです!SACDで発売するんですか?

twitter*ATAK000を全てDSDに取り込んでリマスタリングするので圧倒的に音が良くなります。

twitter*サイデラ森崎さんとDSDマスタリングちう。この解像度と音圧すごい\(^o^)/


(1Fオフィスにて)

オノ セイゲン:やあ、渋谷くん久しぶり!DSDにアップコンバートしてやってるんだって?

渋谷:そうなんです。DSDの5.6MHzは解像度が違いますね。音の立ち上がりも速い。

オノ:いい指摘ですねえ。ジャンルによって2.8MHz を選ぶ人もいるけど。5.6MHz DSDは、単純に時間軸の解像度が2倍だから、矩形波とかパルスにはぜったい5.6MHz DSDだね。繊細なアコースティックの楽器の、とりわけピアニッシモ部分はこれでないと記録できない。
そうそう、SONORIUMの、あのライブのミックスやっとできあがったから。5.6MHz DSDミキシングで。あれは特別なライブだったし、緊張感というか大切な記録で高橋悠治さんもピアノの繊細な部分、ぜんぶ入ってるから。やっぱりライブはいいよー。OTOTOYに出していいいじゃない?

渋谷:それいいかもしれないですね。DSDだけでリリースするのがいいかもしれない。でも、DSDはアコースティックだけじゃなくてデジタルミュージックでもすごく有効なことが分かりました。今回は僕のファーストアルバムと新曲2曲を全部、DSDにアップコンバートしてからマスタリングしてもらったけど明らかに解像度が上がってます。DSDアップコンバートでマスタリングというのは世界でもここでしか出来ないと思うから、ここでやってないとしたら世界初だと思うんだけど、すごくいいと思いました。でもなんで誰もやらないんだろう?このアルバムは9/11にATAK web shopで先行発売して9月中には一般発売になると思うからぜひ聴いてほしいですね。




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