Saidera Mastering Blog

CDマスタリング、DSDレコーディング、ハイレゾ配信&ストリーミング。 サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。

[]DJ ZAI FROM SIMI LAB/CAPITAL Z


チーフ・エンジニアの森崎です。

「DJ ZAI FROM SIMI LAB/CAPITAL Z」のマスタリングをさせて頂きました。

まずはミックス音源を聴きながらマスタリングの方向性決めをしていきます。DJ ZAIさんのリクエストは「PC内でミックスしているのでローエンドとハイエンドが出過ぎているように感じます。そこをバランス良く仕上げて欲しいです。」

音作りのポイントは二つ!

一つ目は、ローエンドとハイエンドの処理です。普段はEQで処理することが多いのですが、今回はアナログ・テープレコーダーSTUDER A820をインプット・スルーにしてアンプのみを通しました。そうすることでローエンドとハイエンドが自然に落ちたかまぼこ型のバランスになります。実際にアナログ・テープを通すのとはまた違う、中低域に厚みのあるパンチのあるサウンドを得られます。


二つ目は、MacとHDDをつなぐFireWireケーブルの選択です。PC周りのUSBやFireWireケーブルもとても微妙ですが、アナログケーブのようにそれぞれ音色が違います。DJ ZAIさんが持ち込んだはオヤイデ製のケーブルでレンジが広くきれいな印象です。それに対し僕がいつも使用しているLACIE HDD付属のケーブルはまとまりがあり輪郭がはっきりした印象です。じっくり聴き比べた結果、後者を採用しました。

Pro ToolsプレイバックのDAコンバーターからSTUDER A820のをつなぐケーブルはアクロテック8Nケーブルを使用して、HIP HOPにふさわしいボーカルの力強さ、抜けをプラスしました。

機材やケーブルはそれぞれ独自のキャラクターを持っています。これらの特徴を活かしてマスタリングすることでEQでは得られない微妙なニュアンスまで再現できます。マスタリング作業に先入観は禁物です。高級なケーブル、機材を使用することではなく、アーティストが求めているサウンドを得られることが重要です。先入観なく自分の耳でしっかり聴き、音楽がリスナーに一番伝わるサウンドに仕上げることが大切です。そのためには自信を持って音作りするには色付けないモニター環境が必要不可欠ですね。






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