Saidera Mastering Blog

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[]EQの使い方(その7)「奥行きを出すテクニック」

チーフエンジニアの森崎です。マスタリングはコンプを掛ける印象が強い方が多いと思うので、音を前に出す作業だというふうに考える方も多いのでは?実は、マスタリングでも奥行きや立体感が表現することができます!今日はそのテクニックを説明します。

奥行きを出すのに必要な機材はEQとコンプ。ルーティングはEQ→コンプとし、
1.前に出したい音はEQで強調し、後ろに下げたい音は削ります
2.EQのQを狭くすと特定の帯域がはっきりと前に出ます
3.EQのQを広くすると広範囲の帯域が緩やかに前に出ます
そのからくりは、EQ強調した帯域はコンプが反応し、削った帯域はコンプが反応しにくくなるため。23の音色の違いをよく覚えてください。

例えば4リズムの歌ものでキックを前に出してベースを後ろにしたい時。キックのビータがヘッドに当たる音(アタック)、響き(部屋鳴り)とベースを別々にEQしていきます。

1.キックのアタックを強調するために120Hz辺りをQを狭くして強調します
2.響きは柔らかくしたいので25Hz〜40Hz辺りをQを広めしてに強調します
3.ベースは後ろに下げたいので60Hz辺りをQをやや広めにして削ります
4.逆にベースのメロディーを前に出したい場合はQを狭くしてその帯域を強調してください

僕の場合はEQ→コンプの後にさらにEQをかけます。低域の微調整、ボーカルやシンバル、ハットなどのピークの処理を施し全体のバランスを整えてレベルを調整します。

マキシマイザーで単純にレベルを大きくすると平面的な音になりがちですが、このようにEQできちんと音処理をすればレベルが入っていても奥行きのあるサウンドを表現することが可能になります。重要な事は「楽器が伸び伸びと自然な鳴りをしている」ことです。せっかく奥行きをつけてもレベルを入れすぎれば平面的な音になるので注意しながら音作りしてください。
2013-06-25改定

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