[]ハイパスフィルターでシビアに調整する

チーフ・エンジニアの森崎です。パイパスフィルター(ローカットフィルター)についてお話しします。

J-POP、R&B;、HIP HOP、レゲエ、ブラジル音楽などは、ハイパスフィルターを上手に使いこなすと柔らかくかつタイトな低音を作ることができます。僕がハイパスフィルターを使う場合は25Hz前後の周波数を調整することが多いです。ただしEQの操作はシビアで1Hz変わっただけでニュアンスが変わります。

まずEQの操作から。20Hz辺りから少しつづロールオフ周波数を上げていきます。すると透明感のある音から厚みがあるマットな音になる瞬間があります。ここがハイパスフィルターの臨界点です。例えば25.7Hzで変化した場合、透明感が出るのは25Hzから、厚みが出るのは26Hzからローカットした場合、となります。音質はロールオフ周波数が高い方が太さは増しますがレンジが狭くなるので自然さは損なわれます。例えばJ-POPのバンドもののには25Hzから、レゲエやR&B;でベースよりドラムをタイト仕上げるには27Hzからハイパスフィルターをかける、などといった使い分けをします。

また、ハイパスフィルターはサンプリング周波数の異なる素材の質感を統一する場合にも役に立ちます。例えば16ビット/44.1kHzの素材は25Hzから、24ビット/96kHzの素材は28Hzからハイパスフィルターをかけると、もちろん情報量は違いますが低域のニュアンスを近づけて仕上げることができます。

ローカットの処理を丁寧に行なうことで無理にコンプで仕上げるよりも低域がまとまり、少ないプロセッシングで的確な音作りができるようになります。もちろんですが、音源そのままがベストなサウンドであればローカット処理の必要はありません。その判断もマスタリングエンジニアの手腕です。オノのやり方は少し違いますが、本人曰く「ProTools 10/11になりPCMでもようやく低域が処理できるようになった。32/64ビットで扱えることによるメリットが大きい。低域は波長が長いから、今までのデジタルEQは無理があった。もっとも位相が悪くなることによりエネルギー感が増すという積極的にイフェクトとして使う選択もありだけど」とのこと。

先日のスタジオ改装により、SHIZUKA Stillness Panelを(主に低域の改善用に)導入しました。ローエンドの質感の違いがさらに精密に、どなたにもわかり易くなりました。ぜひ立会いマスタリングでサウンドを体験してみてください。
2013-10-22改訂

関連リンク:
Saidera Mastering Blog:EQの使い方(その3)「透明感を出す低域のEQのテクニック」
Saidera Mastering Blog:低域の処理(その1)「キックとベースとボーカルと」


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