Saidera Mastering Blog

CDマスタリング、DSDレコーディング、ハイレゾ配信&ストリーミング。 サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。

[]EQ2段がけ(その1)「基本編」

チーフ・エンジニアの森崎です。

Highが強いので全体に少し抑えてライドシンバルとハットを強調したい時、EQを2台使うのが効果的です。使い方ですが、1台目はシェルビングカーブでハイを落とします。シェルビングのスタートポイントはサウンドにもよりますが、4kHzから10kHz辺りから落として下さい。そして2台目で必要なポイントを強調します。ポイントを探すにはQを少しきつめにしてレベルを上げスイープさせて下さい。そうすることで必要な楽器が持ち上がる帯域が見つかるはずです。そこをほんの少し強調すればバッチリのサウンドになるはずです。

ここが大切ですがEQは2台同じものを使用して下さい。違うEQでも可能ですが同じ方がサウンドのつながりがいいですよ。サラウンド対応の6chに対応したデジタルEQなどは、例えばAES EBUで1、2chに入力、そのアウトを3、4chにつなげば、2段がけが可能です。

EQで良いサウンドを作るにはカーブがきれいにつながっていることが大切です。あまりに近い帯域を強調すると不必要な帯域まで持ち上がってしまいますので、最低限の処理で最大の効果を得ることが出来ません。30Hzと60Hzを1台のEQで強調するとカーブがつながってしまいます。そういうときは1台目で30Hz、2台目で60Hzを強調すると自然なサウンドを得ることが出来ます。

もちろんこの使い方はミッドレンジやハイのEQにも使えますよ!