Saidera Mastering Blog

CDマスタリング、DSDレコーディング、ハイレゾ配信&ストリーミング。 サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。

[]色々なノイズ



チーフ・エンジニアの森崎です。


音楽制作では色々なノイズがあります。


本日はその紹介と対策方法を説明していきます。





ハムノイズとは電源周りで発生するブーンというノイズです。


レコーディングの時にハムノイズが出るととても厄介ですね。


僕もアシスタント時代には3ピン→2ピンのアダプターを付けたり、


ギターアンプのシールドケーブルとマイクポケットのアースをつないで、


対策しました。


このノイズはレベルを上げた時に目立つことが多いので、


レコーディング時に対策する必要があります。





また、空調のノイズ、機材のファンのノイズも意外と目立ちます。


レコーディング時に空調を止めたり、


スタジオではマシーンルームというコントロールルームとは別の部屋に、


機材を収納してノイズ対策を行なっています。


録音した素材に入ってしまっている場合はハイパスフィルターや、


シェルビングEQが効果的です。





ヴォーカルのリップノイズもマスタリングで音量を上げた時に目立つノイズの一つです。


レコーディング時はマイクの前にウィンドスクリーンを付けて対策します。


ステッドマンの金属製のウインドスクリーンは高域を損なうことなく、


リップノイズを抑えてくれる優れものです。


どうしても目立つノイズは編集で取り除くのが一番ですが、


ニュアンスを損なわないように注意して下さい。





楽器を演奏する時に生じるノイズをプレイノイズといいます。


また足音、椅子のきしみ、譜面をめくる音なども指します。


ジャズ、クラッシックなどで良く耳にするノイズですね。


こちらの音は演奏と重なっていることが多く取り除くことはなかなか難しいですが、


椅子の下にカーペットを敷いたり、楽器のきしみにオイルを注して、


事前に対策しています。





機材のオペレーション中に生じるノイズもあります、


真空管アンプでレベルを入れすぎるとディストーションノイズが発生します。


このノイズを音楽的に使うことがありますね。


心地よい歪みはハーモニック・ディストーションといわれ、


音に暖かみ、太さをプラスしてくれます。





DAWでレベルを入れすぎるとパチっとクリップノイズが生じます。


その他トラックのバウンス時、AD/DAのクロックエラーでもプチプチノイズが、


発生することがありますのでデジタル機材のオペレーション時には注意して下さい。





最近では少なくなりましたがアナログテープを再生したときのサーという音はヒスノイズ、


アナログレコードを再生したときのプチプチした音はスクラッチノイズですね。





最後に、冬場は静電気が原因でノイズが発生することがあります。


機材を触った時に指先がパチッとなった経験が皆さんあるのではと思います。


このノイズがレコーディング時、マイクラインにのると大きな音を発生しますので、


部屋の乾燥には十分注意して下さい。


霧吹きをしたり、一時的に加湿器を回すことで対策出来ます。