Saidera Mastering Blog

CDマスタリング、DSDレコーディング、ハイレゾ配信&ストリーミング。 サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。

[]サウンド・キャラクターを見極める5つのポイント

チーフ・エンジニアの森崎です。
このところ「ラインケーブル・ADコンバーター視聴」の記事を多くアップしましたが、お持ちの機材をリスニングされた方はいますか?本日は、これからトライする方にも役立つ機材・ケーブルの聴き比べでそのサウンド・キャラクターを見極めるための5つのポイントを紹介します。

[ サウンド・キャラクターを見極める5つのポイント ]
1. 客観的に。
2. ポイントを絞って。
3. 聴きどころのテーマを決める。
4. リスニングポイントは同じ位置で。ボリュームも固定。
5. 一度に比べる機材やケーブルはまず2種類から。

1. 機材やケーブルなどの「キャラクター」「質感」を聴くので必ず客観的に聴きます。音楽鑑賞を楽しんでしまってはその判断は出来ません。ただしマスタリングの作業では音楽的要素も加味した客観的判断が必要です。

2. フレーズが短い方が音質を記憶しやすいため視聴箇所はポイントを絞ります。曲頭のキック1発や最初のヴォーカルのワンフレーズなど。僕のマスタリングはTC Electronic System6000内で3台分のEQを使用するので、細かく多くのポイントでEQするには特に素早い判断が必要なんです。

3. ヴォーカル、キックの質感、キックとベースのバランス、オケとヴォーカルのバランス、広がり、奥行き、フォーカス、定位、空気感、音像の大きさ等、テーマを決めて視聴します。

4. リスニングポイントは前後、左右、高さがなるべく変わらぬよう視聴します。モニター音量でも聴こえ方はガラリと変わるのでボリュームは必ず固定で行います。

5. 比較視聴の基本は2種でのAB比較です。新たにCを比べる場合はA、Bの良かった方とCを比較します。

機材・ケーブルの音色の違いはわずかですが、その積み重ねが最終的な音の仕上がりを大きく左右します。この視聴を行う際はモニター周りの見直しも併せて行うことをお忘れなく!モニター改善策についてはこちらもお読みください。僕はここで紹介した方法でスタジオの機材・ケーブルは徹底的に視聴してサウンドキャラクターを把握しているので、その組み合わせでアーティストの求める音に積極的に反映させることが出来ます。それによりその後のEQなどがさらに活きてきます。ぜひ立ち会いマスタリングで体験してください!


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