Saidera Mastering Blog

CDマスタリング、DSDレコーディング、ハイレゾ配信&ストリーミング。 サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。

[]EQの使い方(その4)「聴感上のフラットとは」


チーフ・エンジニアの森崎です。

皆さんフラットな音というのはどんな音をイメージするでしょうか?あくまで僕自身の考え方ですが大きくこの二つに分けています。

1.電気的にフラットな音
2.聴感上でフラットな音

1.「電気的にフラットな音」とは機材を通している場合、EQやコンプのトリムをすべてゼロまたはセンタークリックの位置に戻した状態の音です。「Unity Gain」「ゼロ・リセット」とも言われています。
2.「聴感上でフラットな音」とはスピーカーやヘッドフォンで聴いた時、人の耳に対してフラットに聴こえる音です。「周波数的にフラットな音」とはまた違った、あくまで人の耳の聴こえ方によるところのフラットな音です。

音響ハウスのアシスタント時代にピアノの調律に立ち会うことが何度かありました。レコーディングスタジオではA tone(=ラの音ですよね)は440Hzではなく441Hzで調整していました。そのほうが明るいサウンドになるからです。さらに調律師の方から「低い周波数ほど低めに、高い周波数ほど高めに調律することで人の耳にはバランス良く聴こえる。」ということを教わりました。音叉に対して忠実にチューニングしていると思ってたので、最終的には耳で調整しているという事実を知ったときは衝撃的でした!

あれから十数年経ちますが、この時の経験をマスタリングでも応用しています。例えば少し明るめなサウンドにするためには16.0Hzではなく16.1Hzを使う。低域のEQも同じように応用できます。ほんの数ヘルツの違いですが最終的な音の印象に大きく影響するんですよ。ぜひ自分の耳を信じて素敵なサウンドを作ってください!


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