[]DSDレコーディング(その2)「DJ EMMAxDS-D98」
チーフ・エンジニアの森崎です。
DSDの魅力はリアリティーと先日のブログで書きましたが、まさにそれを体験したのが、2005年「EMMA HOUSE 〜Live at Yellow, Tokyo〜」のレコーディングでした。この時はTASCAMのDSDレコーダー、DS-D98を2台同期させて、「イエロー」のコンソールアウトとフロアーのアンビエンス(歓声)を録音しました。アンビエンス用マイクはなんとShureSM58ですよ!
マスタリングではこの2台のDS-D98の音をアナログミキサーのMACKIE1202でミックスして作業しました。フロアーに立てた58のサウンドがすごく良かったので歓声だけではなく低音のフォローにも使いました。
スタジオに戻って聴いたとき一番ビックリしたのは音の自然さ。EMMAさんのプレイはもちろん最高で、クラブ・ミキサーUREI1620、アナログレコードのサウンドが、そのまま録音されていました。それまで聴いたことがないほどの豊かな低音、抜けのいいハットのサウンド。低域も高域も滑らかにきれいに伸びています。だから、ヴォリュームを上げても気持ちのいいサウンドなんです。「同じレコードを購入してUREIを通しているのですが、あのCDと同じような音にはなりません」という感想もいただきました。
間違いなく、あのCDにはアーティストだけではなく、フロアーの皆さんの魂も録音されているのだと思います。当時は、まさか「イエロー」が無くなるとは思ってもいなかったのですが、いま振り返ってみると貴重なレコーディングに参加することが出来た、そしてDSDで録音して本当に良かった。
DSDのサウンドはアナログレコード好きの方にも、感動のサウンドだと思います。
サイデラ・マスタリングではPCM音源であってもDSDにアップコンバートすることで、DSD録音と同じようなニュアンスを引き出すことが可能です。いままで体験したことがないようなリアルなMIX CDに仕上げますよ。