Saidera Mastering Blog

CDマスタリング、DSDレコーディング、ハイレゾ配信&ストリーミング。 サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。

[]コンプの使い方(その3)「コンプで音符のコントロール」


チーフ・エンジニアの森崎です。

よくコンプで「音をつぶす」と言いますが、僕の場合はつぶすのではなく音符の長さのコントロールのために使うことが多いです。プラグインには豊富なプリセットがありますが、やはり音楽の抑揚やグルーヴを大切にするには各楽曲に合った適切なアタックタイムとリリースタイムの設定が不可欠です。

アタックタイムは短すぎるとアタックが出ないし遅すぎるとエッジが出なくなります。リリースタイムは短すぎるとコンプがかかりにくく長すぎると次の音まで効いてしまいます。アタック、リリースの設定はテンポや音符の長さと密接に関係しています。

例えばキックを例に。
「ドーーン、ドーーン、ドーーン、ドーーン」にするか、
「ドンーー、ドンーー、ドンーー、ドンーー」にするか、
これはジャンルや音数、アレンジで変わってきます。

前者はクラブミュージックのようなキックがベースの要素も兼ね備えている曲に、後者はキックとベースが入ったアレンジの曲に合った音の処理です。後者の場合ドライに仕上げ「ドンーー」の余韻、「ーー」にベースが入れる隙間を作ってあげることがポイントです。これを書いていて思ったのですが、だから生ドラムの時は多くの場合、キックだけにはリバーブをかけないんですね。響きをきちんとコントロールすることが、音楽をよりダイナミックに聴かせる秘訣です。


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