Saidera Mastering Blog

CDマスタリング、DSDレコーディング、ハイレゾ配信&ストリーミング。 サイデラ・マスタリングは、常に最新のテクノロジーとワークフローにより「伝わる音」の技術を提供します。

[]ステレオ感のある音作り



チーフ・エンジニアの森崎です。





マスタリングでもう少しステレオ感を出せませんか?というリクエストも良くあります。





ステレオ感を出すというのはスピーカーとスピーカーの間の音の定位を、


正方形から横長の長方形に引き延ばす感じです。





頭で長方形をイメージしてください。


上の2点と下の2点を広げる必要があるので高域と低域の両方の音作りが必要です。





その前に大切なことはマスタリングする音源にそのような楽器がステレオ成分に入っているか?


このことが一番大切です。





立ち上がりの速い楽器がステレオに存在すれば高域の広がり感を出すことは可能です。


例えばAGtrのカッティングやシェーカー、タンバリンなどです。





そして、低音の音処理です。


音像の大きなKickとBASSで音の裾野をきれいに広げることがポイントです。


低域と高域の組み合わせで初めてステレオ感が表現出来ます。


高域だけでは逆三角形のような音の配置になってしまい不自然な聴こえ方になってしまいます。





あとはその間の隙間ををディストーションギター、ピアノ、PAD、CHOなどをきれいに配置するようにマスタリングしていきます。


楽器がその楽器らしく聴こえるように音作りをして行けば、


見た目でKick、Bassは下のほうに、その上にSN、さらに上にヴォーカルというように、


正しい定位から音が聴こえるようになります。


そのためには最初にミックス音源を注意深く聴いて楽曲のバランス、定位をしっかり理解する必要があります。





マスタリングは周波数だけの音処理だけではなく、


見た目の定位きちんと整理することがとても大切です。


これがきちんと出来ればどのようなシステムでもイメージが変わらずに聴くことが出来るからです。