[]サイデラ・マスタリングとかないまるその3
チーフ・エンジニアの森崎です。
サイデラ・マスタリングとかないまるその2にありましたように、
サイデラ・マスタリングのリファレンスアンプはソニーのTA-DA9100ESを使っています。
マスタリング用アンプに必要な要素はレンジが広く、音に癖がない、立ち上がりが速く、歪みが少ない、
長時間の作業でも安定したサウンド、ということです。
このアンプを導入したのはPMC MB1×5本のスタジオリニューアル後からです。
それまではボルダー500AE×2のBTL接続でドライブしていました。
鉛板やコンクリート板、さらにインシュレーターを使ってシビアな振動対策を施し、
ようやく理想の音が手に入りました。
なので最強のアナログアンプをデジタルアンプに替えるので、
どんなサウンドになるのだろう?という興味でいっぱいでした。
僕自身、自宅では真空管アンプで音楽を聴いていますが、
サウンドが良ければアナログ、デジタルのこだわりはありません。
ただ、必要な音量が出せるか?だけは心配でした。
デジタルアンプのサウンドはアナログに比べすっきりしている印象がありましたので。
でも、音を出した瞬間に心配は吹っ飛びました!
ドライブ能力はボルダーよりあり軽々とPMCを鳴らしてしまいました。
サウンドは今まで聴いたことがないぐらいナチュラルでハイスピード、ビックリするほどフラットです。
しかも電源を入れてすぐと8時間経った後でもサウンドがほとんど変わらないんです。
これはアルバムをマスタリングする時に1曲目と最後の曲をほぼ同じ状態で作業出来るので、
理想的なアンプだと思いました。
(アナログアンプの場合は前日から、遅くても数時間前には電源を入れる必要があります)
音のつながりがとても滑らかで真空管アンプのようなニュアンスもあります。
低音の押し出し、立ち上がりの速さは特筆すべきものがあります。
及川先生流に表現すれば音がさらにカッコ良くなりました!
その後、電源ケーブルの選択、セッティングを追い込んで、
今では最高のサウンドに仕上がっています。
もちろん、さらに良いサウンドになるようにこれからも微調整をしていきます。
それでは、このサウンドはぜひ立ち会いマスタリングで体験してくださいね!